病院の管理栄養士は、管理栄養士の中でもより専門性を求められます。
「管理栄養士として活躍したい、頑張りたい」と思っている人は病院で働くのは打ってつけです。
・急性期病院勤務の現役管理栄養士
・病院管理栄養士歴10年
・2人の子育てママ
・転職経験あり
この記事では、病院管理栄養士歴10年になる筆者が現場の意見を交えながら、病院管理栄養士になりたい人へ基本情報を解説します。
管理栄養士として病院で働く具体的なイメージをつけることができます。
基本情報を理解していれば「思っていたのと違う!」となることを防げます。
病院管理栄養士の基本をしっかりと押さえ、理解した上で就職活動・転職活動をしましょう。
病院管理栄養士が別の病院に転職するポイントはこちらの記事で解説しています。
≫『病院経験者が別の病院へ転職するメリット・デメリットと気をつけたいこと』
病院管理栄養士になる前にやっておくべきこと・やらなくていいことがあります。詳細はこちらの記事からご覧ください。
≫『病院管理栄養士に求められることは?なる前にやっておくべきこと・やらなくていいこと』
① 栄養士人材バンク
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③ 栄養士ワーカー
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これから病院管理栄養士の需要はどんどん増える

これから患者様への栄養管理は重要になってきます。
その専門家である管理栄養士の需要は増えてきます。
時代は超高齢化社会です。
それにより患者様は主疾患以外にもたくさんの問題を抱えています。
病気や身体状況は複雑化しており、一辺倒な教科書通りにはいかない。
より専門性が必要!
生活習慣病以外に、低栄養や嚥下障害のある患者様が増え、栄養管理の必要性は拡大しています。

栄養管理は今後ますます求められる分野になるよ。
未経験者でも病院管理栄養士になれる

専門性が求められる病院管理栄養士ですが、未経験者でもなれます。
たしかに未経験者は経験者と比べると、病院に入職しにくいのが現状です。
経験者を優遇する理由としては次のことが挙げられます。
・人手不足のため即戦力を求めがち
・専門職のため、総合職よりも経験値が重要
それでも全く就職先がないわけではありません!
就職活動や転職活動をしっかりすれば希望する病院に入れます。
未経験でも病院管理栄養士に転職できる理由の詳細はこちらの記事からご覧ください。
≫『病院未経験の管理栄養士が病院に転職するための心構え3選』
病院管理栄養士が「大変」と言われる理由

病院管理栄養士は「キツい」「大変」な職業と言われることが多いです。
そう言われてしまう理由としては次の通りです。
専門業務から雑務まで幅広く仕事を兼任しているため仕事量が多いです。
患者様の状態や状況により左右されるため、計画通りに仕事が進まない、急な対応に追われ業務時間過ぎることあります。

仕事量と給料が見合わないと言われることも…。
病院管理栄養士になる「志」をしっかりと持つこと。
病院管理栄養士の「やりがい」とは

病院管理栄養士で働く中には、「やりがい」があるからこそ続けている人が多いです。
病院管理栄養士が「やりがい」を感じたときを挙げてみました。

人の役に立てたことに、やりがいを感じる人が多いね。
その他に、病院管理栄養士としてキャリアアップすることで「やりがい」を感じる方もいます。
≫『病院管理栄養士が目指せるキャリアアップ7選と実現のため転職前に考えるべきこと』
病院管理栄養士に向いている人、向いていない人

病院管理栄養士に向いているのは、次のような人です。
逆に、病院管理栄養士に向いていないのは次のような人です。
特に「患者様に寄り添えること」が病院管理栄養士の根幹であり、最も大事と言えます。
病院管理栄養士の適性を詳しく知りたい方はこちらからご覧ください。
≫『病院管理栄養士の適正は?向いている人・向いていない人』
病院管理栄養士の働きかたを知ろう

病院管理栄養士の働きかたを解説します。
病院管理栄養士の仕事内容は臨床栄養と給食管理の大きく2つ

仕事内容はざっくり大きく分けると、臨床栄養業務と給食管理業務です。
臨床栄養業務は次の通りです
病院の管理栄養士は、栄養・食のスペシャリストという立場から患者様にアプローチします。
病院管理栄養士は、病棟で積極的に活動する場が増えてきました。
生活習慣病以外にも、嚥下機能低下や低栄養の方に対してのアプローチが必要です。
主に糖尿病や高血圧症などの生活習慣病に対する指導が多い。
場合によっては低栄養や、がん疾患に関する指導もあります。
病室に出向き、患者様の病状や身体状況、聞き取り調査などをします。
栄養状態を評価し、検査値や主治医の治療方針を確認しながら、テーラーメイドの栄養管理します。
栄養状態を評価し、検査値や主治医の治療方針を確認しながら、その時その時に合わせた栄養計画していきます。
臨床栄養は教科書通りの一辺倒な対応ではできません。
患者様1人1人に合わせたテーラーメイドの栄養管理、栄養指導、チーム医療をしていきます。

近年、各病棟に担当の管理栄養士を設けている病院が多いよ。
病院管理栄養士は1日のほとんどの時間を病棟で過ごします。
患者様や医療従事者と密なコミュニケーションが必須です。
医療はチームでみるものとされています。
管理栄養士も、NSTや褥瘡など、さまざまなチームに加わります。
患者様の栄養をサポート。管理栄養士が中心になることが多い。
回診の段取り、スタッフ間でのやりとりの調整役、NST委員会の準備など行います。
管理栄養士だけの仕事には限界があり、他職種間で協力する必要があります。
続いて給食管理業務です。
給食業務を給食会社に委託している場合は、直接業務としてないことが多い。
献立作成といっても病院はサイクルメニューで動くことがほとんどです。
毎日の献立を考えるのでは稀です。
旬の食材や一部献立を変更するなど、その都度対応します。
・病院給食は食種が多い
・患者様の入退院や食事変更が多いため、随時食数管理の対応をしなければならない
病院では患者様の疾患や状態などを考慮し、一人一人にあった食事を提供します。
・エネルギーやたんぱく質など個人に合わせた栄養バランスを考慮
・口腔機能問題や嚥下機能低下による食形態を考慮
・美味しさや見た目など食事が楽しめるような工夫
・術後や食物アレルギーなどをくみ取り食事の管理
厨房に入り患者様の食事作り、食種ごとに展開しなければならない献立作成や衛生管理、発注や検収などがあります。
病院は食事変更のオーダーが多いため、随時対応・調整していきます。
詳細な病院管理栄養士の仕事内容かこちらの記事からご覧ください。
≫『病院管理栄養士のリアルな仕事内容とは。1日の仕事流れ実例公開』
病院管理栄養士の平均年収は350~450万円

病院やクリニックで働く管理栄養士の平均年収は350~450万円です。
入職1年目だと平均年収は300~350万円の病院が多いです。
「年収だとよく分からない」という方へ。
病院やクリニックで働く管理栄養士の平均年収でざっくり計算した場合こんな感じになります。
病院管理栄養士のボーナス平均2.5ヶ月で考慮した場合
手取り:19万3000円〜24万8000円/月
ボーナス年間48万〜62万
・日本人の平均年収と比べて病院管理栄養士の年収は低い傾向。
病院の管理栄養士に限らず、管理栄養士全体の収入は低めです。
栄養士の7割以上が女性ですので、産休や育休などのライフイベントを期に一度仕事を離れる人も少なくありません。
収入が低い要因として女性ならではの事情もありそうです。
≫『病院で働く管理栄養士の収入解説と年収を上げる方法紹介』
病院管理栄養士の勤務形態はシフト制のところも

勤務形態は日勤帯とシフト制を取り入れているところ、どちらもあります。
病院管理栄養士の出勤状況は、土日祝日が固定で休み、シフト制で休日がバラバラ、職場によってどちらのパターンもあります。
管理栄養士は基本的に日勤帯の勤務が多い。
給食業務が直営の場合はシフト制になる場合もある。
給食業務をしている病院では早朝出勤という現場もあります。

筆者も給食業務直営の病院時代はシフト制。
21時頃勤務終了→次の日、早朝の4時半には厨房なーんてことも…
一部の給食直営病院では早番や遅番に手当てを付けている病院があります。
ですが、多くは当直手当は付かず、どんなに朝早くてもプラスの給料が発生しないのが現状です。
病院によっても差がでますが、残業がある職場が多いです。
・急性期病院
・給食業務が直営の病院

仕事が終わってから症例報告書を確認したり、専門書を読んだりすることも。
給食業務直営の病院だと、早番や遅番がある場合も。
基本的に病院管理栄養士が、夜勤に入ることはないです。
病院の福利厚生はしっかりしているところが多いです。
病院管理栄養士の職場を知ろう

病院管理栄養士の職場を知ることが重要です。
病院によって管理栄養士の働きかたが大きく変わるからです。
病院の種類「開設者別」と「機能別」で分かれている

病院の種類は「開設者別」と「機能別」に分けることができます。
1つめに開設者別について説明します。
開設者別、つまり経営を行っている組織によって分けた病院の種類です。
開設者が違うことにより、病院の雰囲気や福利厚生に違いがあります。
ざっくり次のようなものがあります。
国立病院や公立病院の所属になると、公務員として働くことに。
つぎに機能別です。病院としての役割が違います。
※19床以下は診療所やクリニックに分類
ほとんどの病院は一般病院に分類。
特定機能病院として大学病院があり、臨床以外にも研究などの役割があります。
医療機能(急性期・回復期・慢性期)は何を持つか

病院は急性期、回復期、慢性期と役割に応じて医療機能を分担しています。
・医療機能は高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つに分かれます。
・分担することで患者様の状態により合った医療サービスを提供できます。
持っている医療機能によって、管理栄養士としての目的や役割が変わってきます。

こちらが管理栄養士として各医療機能に求められる役割です。
≫『急性期・回復期・慢性期別|管理栄養士の役割と働きかた、メリット・デメリットを徹底解説』
診療科に何があるか?

内科、外科、整形外科、産婦人科など…病院によって持っている診療科が違います。
管理栄養士は診療科によって働きかたが大きく変わらないことが多い。
日本は超高齢社会、基礎疾患を持つ患者様がほとんどです。
栄養管理があまり必要なさそうな骨折で入院された整形外科に入院している患者様でも、生活習慣病の有無や嚥下機能や歯牙欠損はあるか等それに対応していく必要があります。
診療科によって疾患が違うためアプローチするところは多少違ってきますが、基本的な栄養管理は同じです。
もちろん、ある診療科によって関われる疾患などの特色は変わります。

「自分はこの疾患がやりたい」など、あなたにとって優先順位が高いのであればしっかり確認。
給食業務はどこが担っているか?(給食業務は直営?委託?)

給食業務は自分たちで行っている直営なのか、それとも給食会社に委託しているのか管理栄養士であれば必ず確認したいところです。
病院の管理栄養士の業務は、臨床栄養業務と給食管理業務に大きく分かれる。

給食業務の担い手により、臨床栄養と給食管理の比重が変わるよ。
給食業務直営と委託の病院、メリット・デメリットは次の通りです。

≫『給食業務「直営」の病院で働く管理栄養士の実態。働くなら若手のうちが良い理由とは。』

≫『給食業務「委託」した病院で働く管理栄養士の実態。臨床に専念した働きかたとは。』
給食業務直営の病院と委託した病院管理栄養士の働きかたを表で比較しました。

一般的に給食直営の管理栄養士の方が忙しいことが多い。
≫『「直営給食」と「委託給食」違いを徹底比較。あなたに合うのはどっち?』
病院管理栄養士になると私生活はどうか知ろう

病院管理栄養士になると私生活に何か影響があるか気になるところだと思います。
病院管理栄養士に勉強は必須である

病院管理栄養士に勉強は必須です。
病院管理栄養士に必要な知識は、学校の講義だけでは不十分です。
臨床栄養学は出来てもその基礎となるところをしっかりと知っている必要があります。
・解剖学、生化学、病態や疾患
・検査値の見方
・アセスメント方法
・フィジカルアセスメント
・術式や治療法、薬剤名など

特に病院管理栄養士になった2~3年はしっかり勉強時間を確保したいところ。
勉強会・講習会の頻度としては
平均2~3件/月
病院管理栄養士の勉強について詳細に知りたい方はこちらからご覧ください。
≫『働き始めてから勉強が必要な理由を、筆者の事例を交えて解説』
病院管理栄養士は結婚・妊娠・出産・子育てしててもできる

病院管理栄養士は結婚・妊娠・出産・子育てしててもできます。
筆者の周りは子育てをしながら、病院管理栄養士として働いている人がたくさんいます。

筆者も急性期病院で働きながら、チビ2人の子育て真っ最中。
保育園の助けがあって成立しているけどね…
ただし働きながらの子育ては楽ではありません。というか大変です。
病院管理栄養士だからではなく、働くママとして全員に当てはまることだと思います。
職場の協力体制が必須です。
≫『病院管理栄養士をしながら子育てと両立できる!転職したいなら早めに行動を|2児ママ解説』
まとめ:病院管理栄養士に少しでも興味があるなら挑戦を!

病院管理栄養士に少しでも興味があるならオススメです。
いま違う仕事についている方も挑戦するのも一つの手です。転職活動自体にお金はかかりません。
もちろん労力はかかりますが、試す価値はあります。
行動しないとなにも始まりません!
詳しい転職の進め方はこちらの記事で解説しています。
≫【病院管理栄養士の転職進め方を解説】転職を成功さえて豊かな人生を送ろう!
また自分に合った病院を探すためには、1つ1つの病院の詳細な情報収集が必要不可欠です。
『転職サイトの登録』が行動するきっかけの一つになります。
転職サイトを利用することで、転職先の情報収集が効率よくでき、おすすめです。
① 栄養士人材バンク
口コミ高評価!
栄養士人材バンク公式サイト
② 栄養士転職ナビ
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栄養士転職ナビ公式サイト
③ 栄養士ワーカー
病院栄養士・管理栄養士求人多め
栄養士ワーカー公式サイト
詳しい就職の進め方は、こちらの記事で解説しています。
≫病院管理栄養士の就職活動|就活の進め方と心構え【2023/2024年卒】
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